離婚した場合、専業主婦の財産分与と退職金の分配について!

夫との離婚が決まった、または夫との離婚を考えているけれど、離婚した後にどれくらいの財産をもらえるのだろう…?

専業主婦だった方は、なおさら気になるかもしれませんね。

今回は、専業主婦の方が財産分与をもらえるのか…についてご紹介していきます!

 

そもそも財産分与とは…?

「財産分与」とは、婚姻生活中に夫婦が協力して増やした財産を、夫婦の個々の財産に分け与えることを言います。

専業主婦であったり専業主夫であっても、夫婦の共有財産について財産分与を請求することができます。

割合としては、基本的には2分の1の共有財産を請求することが出来ます。

また、財産と聞くと現金を思い浮かべる方も多いと思いますが、現金以外にも財産の対象になる物がありますので、どのようなものが財産の対象になるのかをご紹介していきます。

 

<財産分与の対象になるもの>

結婚期間中に夫婦が築いた現金

専業主婦の方であった方は、結婚期間中にご主人が働いた収入が対象になります。

預貯金を含め、手元に持っている現金や、へそくりなども結婚期間に増えた分については、財産分与の対象になります。

 

結婚期間中に夫婦で購入した不動産

家や土地などの不動産も財産分与の対象になります。

例え相手の名義になっていたとしても、夫婦で購入したものであれば請求対象になります。

 

家具や家電など

結婚期間中に購入した、家具や家電(テレビ、冷蔵庫、エアコン…など)も財産分与の対象になります。

いらない場合もありますが、後でイザコザにならない為にも、出来るだけどちらが引き取るかを決めた方が良いでしょう。

 

有価証券

株券などの有価証券財産分与の対象になります。

 

年金

パートナーが年金を受給していた場合、年金も財産分与の対象になります。

 

退職金

パートナーが、退職間際で退職金をもらえる予定だったり、退職したばかりで退職金がほぼ残っているような場合は、財産分与の対象になります。

退職金については、後で詳しく説明していきます。

 

また他にも、プラスの財産にはなりませんが、財産分与の対象になる物があります。

住宅ローンの残っている家

先ほどにも書きましたが、結婚期間中に購入した家は財産分与の対象になります。

ですが、家に住宅ローンが残っている場合もあるでしょう。その場合は、家の価格からローンの残高を差し引いた額が対象になりますので、もらえる金額は少なくなる可能性があります。

 

次に財産分与の対象にならないものをご紹介していきます。

<財産分与の対象にならないもの>

結婚する前に個人で貯めていた預貯金

パートナーと将来の為に一緒に貯めた…とかではなく、個人的に貯めていたお金は対象外です。

 

親から相続した財産

親が亡くなったり、生前贈与として譲り受けた、土地やお金は財産分与の対象外です。

 

個人的に購入した有価証券や、実家から持ってきたもの

有価証券は財産分与の対象になると書きましたが、パートナーが個人的に購入していた有価証券は財産分与の対象外になります。

また、結婚する時に実家から持ってきた家具や家電、洋服などの個人の持ち物も対象外です。

 

ギャンブルによる借金や、パートナーが購入した高額な物や、借金

パートナーが個人的につくったギャンブルによる借金や、明らかに生活レベルより高額な買い物、

相手が個人的に使うために借りた借金は、対象外になります。

 

いかがでしたか。

意外にも、パートナーの退職金も財産分与の対象になります。

退職金に関しては、請求できるタイミングなど注意点がありますので、詳しくご説明していきます。

 

退職金を財産分与としてもらうには

では、上記で退職金も財産分与になるとお話ししましたが、財産分与としてもらうためにチェックポイントがあります。特に今回は専業主婦が離婚する際に夫の退職金も貰えるのか・・・または将来退職する際に貰うことが出来るのか?についてお話していきますね!

会社に退職金制度があるのか

そもそも会社に退職金の制度が無ければ、退職金を受け取ることは出来ませんので、会社の規約などで退職金制度があるのか確認しましょう。

会社が退職金を支払うことが出来る状況なのか

退職金制度があったとしても、会社が経営難だったりすると支払われない可能性もあり、その場合、財産分与の対象外となる可能性もあります。

パートナーが退職金を受け取れる対象になっているのか

例えば努めて日が浅いなどで、退職金を支払う対象にならない場合もあり、その場合財産分与の対象外となります。

退職金が支払われるまでの期間がどのくらいあるのか

ここが重要です!退職するまでの期間が、まだ10年以上あるなどして長い場合、その期間に会社を退職したりして退職金をもらえない可能性もあり、財産分与の対象外となる可能性が高くなります

また、支払われた場合でも、退職金の全ての金額が財産分与の対象になる訳ではなく、婚姻期間中が対象になります。

退職金が支払われてから時間が経ちすぎていないか

退職金が支払われから10年経っているなど、かなり時間が経過している場合には、財産となるものが存在していないことが多く、

その場合には、財産分与の対象とならない場合もあります。

<退職金の分配法>

では、実際にどのように退職金を分配するのかの例をご紹介していきます。

<まだ退職金が支払われていない場合の例>

①夫婦が別居した時点で、自己都合退職したと仮定します。

その時点で支払われる予定の退職金を会社の規定などから計算します。

②計算で出した金額から、結婚前期間分の金額を差し引きます。

例えば、会社に勤務し始めたのが20歳で、結婚した年齢が30歳だったとします。

その場合、結婚前の10年間分の退職金は対象外となります。

現在50歳だったとして、退職金の予想額が1500万だとします。

すると勤続年数は、20歳から50歳の30年間になります。

そこから、結婚前の10年間を差し引きます。

1500万円÷30年間=50万円(1年間当たりの退職金)

10年間分は、500万円になりますので、

1500万円-500万円(結婚前の10年間分)=1000万円

になりますので、1000万円分が財産分与の対象となります。

 

また、自己都合退職ではなく、定年退職してから退職金をもらう予定で計算する場合もあります。

その場合は、結婚前の期間分と、離婚後の期間分を差し引きをして計算します。

①定年退職でもらえる退職金を計算する

②その金額から、結婚前期間分と離婚後定年までの期間分を差し引きます。

例えば、上記と同じように20歳で勤続し始めて、30歳で結婚、50歳で離婚したとします。

60歳で定年予定で、もらえる退職金は4000万だとします。

すると、勤続年数は60歳-20歳=40年間になります。

そこから、結婚前の10年分と離婚後の10年分を差し引きます。

4000万円÷40年間=100万円(1年間当たりのの退職金)

結婚前の10年間と離婚後の10年間を足すと2000万円になります。

ですから、退職金4000万円-2000万円=2000万円が財産分与の対象になります。

この場合、退職金に対して払われる利息分の計算がされていませんので、詳細に金額を計算されたい方は、

専門家に依頼することをおススメします。

 

<退職金がすでに支払われている場合>

この場合は、支払われてから長期間が経過していない場合は、

退職金全額に対して、結婚期間中の割合が財産分与の対象になります。

例えば、勤続年数が40年間で、結婚期間が20年間だった場合、退職金の半分が財産分与の対象になります。

 

では、退職金以外の財産を、夫婦でどのように分けていくのかをご紹介していきます。

財産分与の分け方

まずは、今ある共有財産を、夫婦のどちらが取得するのかを決めていきます。

ですが、例えば家や家具や家電などは、どちらか引き取るか決めることが出来ない場合もあります。

その場合は財産を売却して現金にして、そのお金を夫婦で分けていきます。

 

では、どのようにして、財産の振り分けを決めていくのがいいのでしょうか。

<話し合う>

まずは、夫婦で話し合って決めましょう。

話し合って決めて決める時には、後からもめないように、書面に財産をリストアップして

その財産をどちらが所有するのかを話し合っていくようにすると良いでしょう。

ですが、すでに別居していたり、すれ違い生活などで話し合う時間がない場合もあるでしょう。

まずは、相手に財産分与について話し合いたい旨をパートナーに伝えます。

その場合は、メールなどを送って話し合いをしたいと申し出た証拠を残しておくようにしましょう。

<調停で話し合う>

それでも、話し合いに応じてもらえない場合は、家庭裁判所に申し出て、調停で話し合うことになります。

申し立てをする場合には、申立書や戸籍謄本などの書類の準備をしたり、2000円程度の費用がかかりますが、家庭裁判所によって変わってきますので確認するようにしましょう。

<裁判で決める>

調停でも、話し合いがまとまらない場合は、裁判所で離婚裁判をして、裁判官の判決によって決着をつけることになります。

離婚裁判になると、離婚の原因が必要になります。

また、裁判では証拠が重要になりますので、相手にどのような財産があるのかの証拠(給与明細や通帳のコピー、不動産記録など)をそろえておきましょう。

 

離婚原因をつくった側からの財産分与の請求

例えば、専業主婦の方が浮気をしたことが原因になって離婚が決定した場合があるとします。

その場合でも、妻は財産分与の請求をすることが出来ます。

財産分与は、婚姻生活中に夫婦で築いた財産を分ける事であります。

ですから、離婚原因がどちらにあったとしても夫婦で築いてきた財産には変わりありません。

例え、その財産が夫が働いて稼いだお金だったとしても、妻はその間家庭を守っていてくれたから、夫は稼ぎに出ることが出来たと言え、夫婦で築いた財産となるのです。

 

ですが、財産分与の請求は出来ますが、浮気をした妻には夫からの慰謝料の請求がくる可能性があります。

これは、浮気の程度にもよりますが、財産分与が慰謝料と相殺される可能性もあります。

また、相殺されずとも、財産分与の金額から、慰謝料の金額を差し引かれる場合もあります。

 

財産分与の請求期限とは?

財産分与を請求する場合、請求することができる期限があります。

請求可能な期限は、離婚後2年間となっています。

離婚すると決まると、相手が財産を隠したり、引っ越しなどがあったり精神的にも辛くなってしまう可能性もあります。

ですから、離婚が決定する前に、財産がどのくらいあるのか、相手が隠して持っているものがないかを確認しておくと良いでしょう。

 

いかがでしたか。

財産分与では、請求期限があったりして、退職の時期などを考えると、離婚のタイミングなども重要になってきます。

慌てず冷静に、財産を請求できる準備をしておきましょう。


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