現在、日本では母子家庭の貧困が深刻な問題になっています
女性一人での子育ては、たくさんの問題や葛藤があります
夫と死別したなどやむをえない場合を除いては、母子家庭になる前、今後の事を真剣に考え悩んだことでしょう
それでもなお、シングルマザーになると決意をしたのは、子供にとってそれが今よりも幸せになることのできる手段だと感じたからではないでしょうか?
では、なぜ貧困に陥ってしまうのでしょうか?
原因は現代社会の仕組みに関係がありそうです
シングルマザーの現状とは…?
子供を授かった妻が離婚を考える理由はなんでしょうか?
夫からの度重なる暴力…夫の不倫…夫が仕事ばかりで育児を任せっきりにされて精神的に追い詰められた…
もしくは、未婚の母であるかもしれませんね
理由はともあれ、シングルマザーになろうと決意したのは、相当の覚悟の上だと思います
ですが、相当な覚悟をしてシングルマザーになったにもかかわらず、母子家庭の平均年収は一般世帯の半分も満たさず、
母子家庭の二世帯に一世帯が貧困に苦しんでいる現状です
家族の支援を受けられなかったり、雇用の基準が厳しく子供がいると正規雇用になかなかなれないこと、夫からの慰謝料がもらえないことが背景にあるようです
家族の支援を受けられない
昔は、例え離婚しても家族が子供の面倒を見てくれたので、母親は子供を預け働くことが出来ました
ところが、核家族化が進み親世帯とは離れたところに住んでいたり、晩婚化で親の年齢が高く長時間孫の面倒を見れなかったり、親世帯も自分たちのことで精いっぱいで金銭的援助もなかなか難しい…そういったことでシングルマザーであっても、子供と母親だけで生活していくことが多くなっています・・・
夫からの支援を受けられない
別れた夫も収入が低いと、養育費を受け取ることも難しくなります
日本で父親が払う養育費の割合は30%ほどしかないそうです
子供の貧困率が低い国では、夫婦が離婚した場合に国の法律で父親から養育費を強制的に没収したり、国が養育費を立て替えてくれ、父親には国から請求するという制度があります
しかし、そういった制度がない日本では、子供の生活費はもちろんのこと教育費の多くを母親が負担していくことになります
きっちり夫から養育費やもし夫が有責で離婚したのであれば、慰謝料を請求し、公正証書にしておかないと後で困窮することになりかねません。
しかし、多くのママさんは離婚を最優先するが故に金銭の取り決めをおざなりにしてしまって後で苦労するという方も多くいます。
正規雇用になれない
親の支援もない、夫からの養育費もない…そうすると、母親が家族が生きていくための生活費を稼いでいかなくてはなりません
ここにも壁があります
多くの収入や保障を得るために、正規雇用を希望します
しかし、子供の具合などで頻繁に休んだり早退したり、また子供が小さいと残業も出来ず、定時に帰宅する…そんな母親の雇用を嫌がる会社は少なくありません
とりあえず時間の融通がきいて、すぐに働ける仕事を探します
資格や経歴があれば、それを生かした職場を探せればパートやアルバイトであっても、それなりの収入をもらえる可能性はあります
しかし、誰でも出来るような簡単な仕事では高収入は見込めません
そこで、掛け持ちで違う仕事をやり始めます
休んでしまったらその分収入も減るので、体調が悪くても休みなく働く必要があります
すると何よりも大切なはずの子供との時間がどんどんなくなってしまいます…
心も体もつらいですね
生活保護を受けられない
日本には貧困に陥った方の為に、生活を立て直しをするまでの間援助をする生活保護制度があります
シングルマザーも対象になりますが、所得証明や戸籍謄本などの証明書類をそろえる必要があり、毎日の生活で精いっぱいですと、その書類をそろえる事が大変になり、諦める方もいるようです
書類をそろえ、いざ役所に申し出たとしても、役所も財政難から生活保護の申請を出来るだけ受け付けないようにしているところも増えています
わらにもすがる思いで申請した方にとっては、残酷な宣告を受けることになります
また、生活が苦しくても生活保護を受給するのには抵抗があり、受給をためらう方もいます
そのため、生活保護を受給しているシングルマザーは全体の14%程度にとどまっているのが現状です
このように母子家庭では、経済的に厳しい家庭が増えています
すると、子供の将来にも影響が出てくる可能性があります
経済的なことを理由に進学ができない…早くに就職しなくてはならなくなり、希望した職に就くことが出来なかったり、正社員になれなかったり…けれど、生活の為には働かなくてはならない…
そして、自分の家庭と同じように貧困に陥る「貧困の連鎖」が起こっているといいます
子供には、幸せになってもらいたい
自分の望む将来に進んで欲しい…子供を愛する親ならば誰しもが思うことでしょう
日本は教育費がとても高い水準にあります
公立の学校に進学すれば、高校までは無償化になりましたのでなんとか進学することはできるでしょう
しかし、大学は高額な学費がかかります
国からの公的援助もありません
収入が少ない母子家庭では、学費を充分に支払えない状況です
では、大学進学は諦めなければならないのでしょうか?
母子寡婦福祉資金貸付金
母子家庭の場合、無利子で借りられる奨学金制度があります
有名なもので「母子寡婦福祉資金貸付金」という制度があります
母子寡婦福祉資金貸付金の修学資金は、子供の進学の為に無利子で貸与を受けられます
修学資金の場合、親が借受人で子供が連帯借受人となれば、他に連帯保証人を必要としないケースも多くあり、連帯保証人になってもらえる方がいなくても、利用できます
返済期間も、通常の奨学金制度より長く設定されてるので、就職後の月々の返済額も低く設定できます
ただ、母子家庭であっても収入が一定の基準より多いと借りれなかったり、無利子で借りられるため審査や面接は、より厳しくなりますが、検討する価値はありそうですね
また、それぞれの大学でも授業料の免除や軽減制度を設けていますので、進学したいと思ったら、諦めずに調べてみることをお勧めします
母子家庭で育ったからと言って、誰しもが貧困に陥るわけではありません
まずは、母親がどうしたら貧困にならずに済むのか、一度考えてみましょう
働きながら資格を取れないのか…助けてもらえる制度はないのか…どうしたらいいのか分からなければ、役所やハローワークでも相談にのってくれますので行ってみても良いですね
子供は、母親が笑顔で幸せそうにしているだけで安心し、夢や希望をもてるようになります
母子家庭でも、普通に幸せに生活を送れる…
そんなとこが当たり前の社会になると良いですね
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