両親のどちらかがAB型だった場合、
普通に考えるとO型の子供が生まれてくることはないように思えますよね。
でも実際にはO型の子供が生まれてきて・・・・
親がAB型なのに、どうして自分はO型なの…?もしかして、自分は両親の子供じゃないのかな…??
親に直接聞くのも、なんだか怖いし…子供心に傷ついてしまうことも・・・
または、自分とパートナーとの血液型からはO型の子供は生まれないはずなのに…
えっ??どういうこと…??どうして…まさか…違う人との子供?
なんて思い悩んでしまいそうですね。
しかし、AB型の親から稀にO型の子供が生まれることがあるんです!
その場合、AB型の親が「シスAB型」であることが原因にあります。
「シスAB型って…何??病気…?」と思いますよね。
シスAB型についてご説明いたします!
シスAB型とは?
血液型は、通常ABO式で表されています。
AB型でも、通常のAB型の事を「トランス型」
ABO式ではあり得ない形でのAB型の事を「シス型」と言います。
この「シス型」の血液型をもって生まれたとしても、病気ではありませんので、健康には何ら悪影響はありません。
そして、シスAB型であるかどうかは遺伝子を解析しないと正確に判断することが出来ず、調べるためには費用もそれなりにかかる為、シスAB型であることを知らずに大人になる方もいらっしゃるでしょう。
この「シス型」の方に子供ができて生まれた時に、ABO式では、通常考えられない血液型の子供が生まれてくることがあるのです。
ご自身が「シスAB型」だと知らなかった場合、
びっくりしてしまいそうですね。
そもそも、なぜシスAB型という血液型になるのでしょうか?
どうして「シスAB型」になるのか?
ABO式血液型は、9番目の染色体上の遺伝子によって決定されます。
遺伝子は、両親からそれぞれ1つづつの遺伝子をもらいます。
通常は、二組の染色体上に、それぞれ1つづつ「A」「B」「O」の遺伝子がいずれか乗ります。
そして、その組み合わせによって血液型が決定します。
・「A×A」「A×O」だと➡「A型」
・「B×B」「B×O」だと➡「B型」
・「O×O」だと➡「O型」
・「A×B」だと➡「AB型」
になります。
ところが、「シスAB型」は、1組の染色体上に1つずつ乗るはずの「A」「B」「O」の遺伝子が、「AとB」の両方の遺伝子が混ざり合ったような状態で乗ってしまいます。
すると、片方の染色体の遺伝子が「AB型」のような形になり、
もう片方の染色体上に「O」の遺伝子が乗ったとしても、「O」は劣勢になり、その方の血液型は、「AB型」となるのです。
これが、「シスAB型」です。
では、「シスAB型」の方が子供を授かると、どのような組み合わせになるのでしょうか?
親が「シスAB型」だった場合の子供の血液型
親がシスAB型だった場合、子供の血液型はどうなるのでしょうか?
シスAB型の方にも、色々なi遺伝子の掛け合わせの方がいます。
「シスAB・A」「シスAB・B」「シスAB・O」
稀ありますが、「シスAB・シスAB」の方もいらっしゃいます。
そして、一般の掛け合わせでは考えられない血液の子供が生まれる可能性がある両親の血液型をご紹介します。
「シスAB・O」のAB型×「A・O」のA型「B・O」のB型「シスAB・O」のAB型の場合
➡O型の子供が生まれる可能性があります!
O型×シスAB型全般
➡AB型の子供が生まれる可能性があります!
このように、親子で特殊な組み合わせが成立する可能性があるので、
もしも血液型が親と違うことで気にしている方はシス型ではないのか一度確認してみるといいでしょう。
そして、シス型でなくても、血液型が誤診されてるなど、親子関係で血液型が合わなくなるということもありますので、気にしすぎて悩む前にまずは色々調べてみるといいかもしれませんね。
シスAB型の方は、AB型の血液を輸血できるの?
シスAB型は病気でないので、日常生活に支障はありません。
ですが、もしも輸血する事になった時に輸血出来るのか…輸血するということは、かなり緊急な場合が多く命に関わることでもあるので気になりますよね。
輸血する血液の検査から説明していきます。
輸血するときには血液をそのまま輸血することは、ほとんどありません。
通常の輸血では遠心分離機で赤血球以外の血漿などを除いた状態になったもの「赤血球製剤」を使います。
そのため、赤血球の検査を行う必要があります。
検査をする際に気を付けなければならないことは、シスAB型の方の場合、今までにもご紹介したように、色んな遺伝子の組み合わせの方がいらっしゃるということです。
ですので、まずはその方の血液が輸血が可能かを確認する検査「クロスマッチ」をする必要があります。
クロスマッチとは輸血の際に副作用が出ないか検査することの事で、血液と血液を混合してみて反応を見てみることのこと検査の事です。
輸血に使用するABO型を選定するには、その方の血液を採取して、赤血球の検査(おもて検査)と血清の検査(うら検査)の検査を行います。
この検査では、おもて検査の抗A(血球の抗原)の薬品と、うら検査の抗B(血清中の抗体)の薬品に1滴ずつ血液を入れて、薬品が固まるかどうかを確認します。
シスAB型の方ではないAB型の方の血液は、抗Aと抗Bの両方ともが固まり赤血球にはAとBの両方の抗原がありますが、
血清中では抗Aと抗Bの両方に反応が出ません。
しかし、シスAB型の方は通常とは異なる反応をする場合が多くあります。
特に、おもて検査で抗Bとの固まり方が通常より弱く、うら検査では、反応しないはずのB血球と反応したりします。
そういった場合には、血液を37℃まで温めて反応があるのかを確認します。
37℃で反応がないのであれば、仮にうら検査で反応があったとしても、AB型の赤血球製剤で輸血して大丈夫です。
もしも、37℃でB血球に反応があった場合には、O型またはA型の赤血球製剤を輸血することになります。
ちなみに、Rhについては通常通り輸血する方が+なら+を、-なら-にします。
一人一人輸血出来る血液が異なることになりますので、気になる方は何かある前に検査を受けてみてはいかがでしょうか。
シスAB型の方は、10万人に1人いると言われていて、普通のAB型の方が10人に1人という割合なので、かなり珍しいですね。
ただ、実際には血液検査を受けていない方もいる可能性がありますので、もう少し多くいらっしゃるかもしれません。
天才肌と言われたり、人とは少し違った個性をお持ちの方が多いAB型ですが、中でも貴重な存在のシスAB型の方は、さらに多くの才能をもっているかもしれませんね!
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